電力会社の回答保留問題について

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電力会社の回答保留問題について

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電力会社の【回答保留問題】

 

2014年9月24日、九州電力が【再生可能エネルギーの接続についての回答を保留する】と発表しました。

 

後に続くように、北海道・東北・四国も10月1日より【新規受入の回答保留】を発表しました。
(沖縄は8月より既に受付を中断しています。)

 

この発表を受け、『接続拒否』や『制度の破綻』が叫ばれました。各電力会社の対応と、なぜこのような事態になったかを説明します。

 

各電力会社の対応

電力会社10社の対応をまとめました。

電力会社 回答保留の有無 対象設備 その他
北陸電力 なし   10月22日、経産省に接続可能量の検証を依頼
中部電力 なし    
中国電力 なし    
北海道電力 10月1日〜 10kw以上の

新規受付

  • 500kw以上の設備では、30日以上の出力抑制をかけても損失補填をしないことを条件に受け入れを検討する
  • 家庭用(10kw未満の余剰売電)については対象外
東北電量 10月1日〜 50kw以上の

新規受付

  • 50kw未満の低圧連係は受付可能(回答保留対象外)
  • 家庭用(10kw未満の余剰売電)については対象外
東京電力 8月1日

〜9月1日

群馬県北部で

入札方式を採択(50kw以上)

  • 接続希望事業者で工事負担金を入札
  • 入札金額の多い事業者から優先的に接続する
  • 251件の入札があり、11月末ころに結果を発表する
関西電力 10月1日〜 淡路島南部の

10kw以上

  • 関西電力自体は回答保留をしていないが、四国電力が融通送電をしている淡路島南部は四国電力に準ずる
  • 淡路島南部でも家庭用(10kw未満の余剰売電)は対象外
四国電力 10月1日〜 10kw以上の

新規受付

家庭用(10kw未満の余剰売電)は対象外
九州電力 9月25日〜 10kw以上で【申し込み済み案件】も含む

(※9月24日までに申し込み済みの低圧(50kw未満)の一部は回答を再開)

以下の案件は【回答保留】の対象外

  • 家庭用(10kw未満の余剰売電)
  • 低圧連係(50kw未満)で【工事負担金請求書】が送付されている
  • 高圧・特別高圧連係で【系統連系承諾通知書】が送付されている
  • 蓄電池の併設等で、【昼間に電気を系統に流さない】提案がある
沖縄電力

4月1日〜
7月31日

 

8月8日〜

全て(家庭用10kw未満も含む)
  • 1回目の回答保留は、8月1日に【接続可能】と回答済み

以下の案件は個別協議が可能

  • 電気の需要の少ない時期(2〜4月ころ)の出力抑制が可能
  • 蓄電池等の併設で昼間に電気を流さず、18時以降に放電する

 

沖縄電力以外は、家庭用の10kw未満の太陽光発電について、特に変更はありません。

 

確認したところ、やはり【余剰売電】なので、系統に与える影響は小さいとのことです。

【回答保留】の経緯と今後の改善点

 

なぜ、今回このような【回答保留問題】が起きてしまったのでしょうか。大きく分けて、2つの原因があると考えます。

  • 予想以上のスピードで太陽光発電が普及した事
  • 電力系統の問題
太陽光発電の普及

2012年7月に固定価格買い取り制度が施行され、再生可能エネルギーに注目が集まりました。しかし、【太陽光】【風力】【地熱】【水力】【バイオマス】の5つのうち、大きく伸びたのは【太陽光】だけです。

 

計画から発電まで、比較的期間が短く、、また買取価格も高く設定されていた為、投資としても一面も強くなりました。投資として成功するためには、やはりある程度の規模が必要ですので、土地の確保が比較的安易な地域に集中したことも原因の1つです。

 

電力系統の問題

今回の【回答保留問題】は、ほとんどの電力会社が【全量買取】を対象にしています。理由は、【電力系統への影響が大きく、電気の安全供給に使用が出るから】

 

太陽光発電は、お天気が相手の発電ですので、発電量は一定しません。2006年にヨーロッパで大規模停電があり、風力発電が原因の1つになっています。

 

このため、【自然エネルギーはアテにならない】と印象を持ち、【自然エネルギーと同じ量の発電を万一のために常に確保する必要がある】と考える方もいます。

 

しかし、既にヨーロッパでは事故時運転継続(FRT)機能の搭載を義務化し、問題はほぼ解決しています。安定供給のためには、常に変化する発電量に注意しつつ、その他の発電施設で細かくフォローするような体制を作ることが大切です。

 

また、【出力抑制】も、不満を持つ方が圧倒的です。

 

【年間30日以内】となっていますが、1日中発電できないわけではなく、1日のうちの数時間の抑制というケースが殆んどです。しかし、情報開示が不十分なため・・

  • 【損をする】
  • 【うちばかり抑制されるのでは・・・?】
  • 【事業計画が立ちにくい】

といった不安ばかりが先に立ってしまいます。

 

また、電力会社と各発電所の通信機能が義務化されていないので、出力抑制の連絡がスムーズに行いにくいという点もあります。以上のように、体制そのものがまだ整備不足で、限りある送電網があまり有効に使われていないのではないでしょうか。

 

回答保留問題の今後

政府は早期解決を目指し、専門委員会を立ち上げました。委員会には、【再生可能エネルギーを抑制すること】ではなく、【制度の改良と受け入れ体制の整備】を望みます。日本の再生可能エネルギー(太陽光発電)は、まだ始まったばかりです。

 

ヨーロッパでは、かなり高い比率で再生可能エネルギーが導入されています。細かい調整が可能な電力系統の設備設計と、公平性のある制度を整えることができれば、太陽光発電は魅力的な発電方法です。今後の委員会の動きに注意していきたいところです。

 

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